10000字インタビュー その1

12月号(11月発売)有岡大貴―――スポークスマン

 

 

1.10000字インタビューの効能

 インタビューを読んで、率直な感想はやはり、「そんなこと思っていたのか」だった。Hey! Say! JUMPは自分たちの苦労や困難、悩んでいることをあまり表に出さない、「絶対的なアイドル」というイメージがあった。だからこそこのインタビューの担う役割はとても重要で大きい。これは周知のことであろう。一方で、中には「読みたくない」というものもあった。もちろん個人の思い出とアイドルのバイオグラフィーとは密接に絡み合うものなので、振り返りたくない気持ちもある。だがこれはJUMPがなにを考えているのか*1 とらえるには格好のチャンスと、前向きに捉えることにした。

 

2.Hey! Say! JUMPにおける“大ちゃん”

 “大ちゃん”――有岡大貴くんに対して、「ファンの代弁者」であると感じることがしばしばある。例えばアルバムがなかなか発売されなかった頃、雑誌で「アルバム出したい」と言ったのは大ちゃんだったように記憶している。また、BESTコンを切望していて、それを口に出すのも大ちゃんが多い気がする。*2Hey! Say! JUMPの中で、もしかして、最も我々に近い感覚をも持ち合わせ、それを言葉にできる人。

 加えて大ちゃんは代弁者であると同時に、ファンの求める情報を的確に流せる人でもある。最近では、今回のシングル「Ride With Me」を感じさせることがあった。ウェブの連載でかなり前に「ダンスレッスンをしている」と言っていた点が特にそういえる根拠だ。

 今回、インタビューを読んで一番大きく感じたのは、大ちゃんはHey! Say! JUMPのバランスをとる存在である点だ。大ちゃんは「BESTと7の懸け橋になりたい」とデビュー後しばしば口にしていたが、それはまさしく実現されたことになるだろう。有言実行とはよくいったものだ。山ちゃんと親友、光とも友人、雄也に信頼され、薮ちゃんにかわいがられる。裕翔とはからかいを含んだ兄弟、知念くんとは同期、伊野ちゃんとはいたずらっ子、圭人とは趣味を共有した友人。私の感じる「大ちゃんとJUMP」像は上記のとおりであり、すべての人とのツーショットを容易に想像できる大ちゃんの「つながる力」は偉大である。

 

3.大ちゃんのライン

 このインタビューでは、おそらくもっと下衆いことやえぐいこと、たくさん話すことはあるはずだが、絶対に話されることはない。大ちゃんに限った話ではないと思うが、皆「見せてもいいライン」をはっきり持っていて、それをもとに今回の感情を吐露しているだろう。当然と言われてしまえばそれまでである。

 大ちゃんの見せてもいいラインは、A.B.C-ZやKis-My-Ft2がJUMPに対して抱いている感情を受け止め、それに返す形で語ることであると感じる。それ以上には踏み込ませないのだろうかとも思う。それに対して「ファン」―もとい私個人が共感を禁じ得ないのが「どこに行ってもアウェーだったHey! Say! JUMP」のことだ。JUMPはどこにいってもアウェー。JUMPだけで成立してその箱庭の中だけで暮らす。それが当たり前だった。だかこそ、外に出るのはとても怖いねぇ、なんてモンペ芸*3はファンが自ら揶揄すると同時に、箱庭でいることへの安心感と外*4へ出ることが怖かったのではないかと、自らを振り返った。今現在のモンペ芸についてはまた機会を改めて考えてみたい。

 

4.まとめ

 私は冒頭で、大ちゃんのことを「スポークスマン」と呼んだ。直訳すると、「代弁者」だ。スポークスマンとは、「政府・政党などの意見や見解の公表を担当する人」という意味を持ち、広報官と言われる人々である。大ちゃんは私にとって、Hey! Say! JUMPの広報官なのだ。かゆいところに手の届くJUMPaperを読んで歓喜し、おかきダイアリーを待っているのは誰でもないファンである。大ちゃんにはその軽やかでポップな声を大きくして、世界中に陽気なスマイルを届けてほしい。

*1:ここでは仕事に対して。

*2:すべて主観であり不確定な要素であることをご了承いただきたい。

*3:ここでは本来のモンスターペアレンツからは離れ、過保護で声高に叫ぶ、JUMP担に多い芸をさす。

*4:Hey! Say! JUMP以外